契約用語
敷金(しききん)
損害賠償の支払いを担保するために、借主が貸主に預けておく保証金の一種。
原則として、契約終了後に無利息で返還されるが、通常の使用及び経年変化で起こる範囲以上の損耗があれば、修繕費として差し引かれる場合があるほか、滞納した家賃などにも充当される。
礼金(れいきん)
これから住む物件の家主に、お礼として渡すお金。敷金と異なり、退去時に返還されない。
※公的機関による住宅融資(公庫融資、年金融資、財形融資、地方自治体融資など)を利用して建てた物件については、貸主は礼金を受け取ってはいけない。また、UR賃貸住宅や、公的機関が貸主となる物件も礼金は必要ない。
敷引(しきびき)・解約引(かいやくびき)・敷金償却(しききんしょうきゃく)
主に関西圏で見られる料金制度。入居者が退去時に返還される敷金分からあらかじめ返還しないと約束したもので、通常、賃料の2倍~5倍の金額とされる。
敷引が適用される時には、礼金・更新料はおおむね発生しない。
例)
「敷金35万・敷引15万」の場合、契約時に敷金として30万円を支払い、退去時に20万円が返却される。
〔退去時の返還金=敷金-敷引〕
物件の退去時に、借主による家賃の滞納や物件の損耗の有無にかかわらず、敷引金の範囲内で貸主が修復(原状回復)を施すということになっており、原状回復等の名目で敷引以上の金額が発生することはほとんどない。
保証金(ほしょうきん)
契約を守ることを担保するために支払うお金。契約終了後に無利息で返還されるが、1割~3割償却されることもある。
仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう)
物件を紹介してくれた不動産業者(宅建業者)に支払う手数料。
物件の仲介をした不動産業者は、貸主・借主それぞれから家賃の0.5ヶ月分を上限とした報酬を受け取ることができる、とされている。
管理費(かんりひ)・共益費(きょうえきひ)
家賃と一緒に毎月家主に支払うお金。物件の共有部分(外廊下、自転車置場など)のメンテナンス・管理人の人件費などに充てられる。
更新料(こうしんりょう)
賃貸借契約期間が経過した後も、引き続き同じ物件に住む場合に支払うお金。
地域にもよるが、2年更新で家賃の1ヶ月分程度の料金が一般的。関西圏・北海道ではほとんど見られない。
連帯保証人(れんたいほしょうにん)
借主に何らかの事情が生じた時に、代わりに借主と同等の義務・責任を負う人のこと。
親族を立てることが多いが、頼める人がいない場合には、連帯保証会社の利用ができる物件もある。
連帯保証会社(れんたいほしょうがいしゃ)
借主が賃料を滞納した際、借主に代わって貸主に賃料を払い、貸主の代わりに借主に賃料を請求する会社。
保証料として、一般的に2年契約で家賃の25%~30%・あるいは月家賃の○%といった料金がかかる。
不動産会社と提携している保証会社も存在する。また、保証会社の利用が必須の物件、連帯保証人と保証会社が共に必須となっている物件もある。
原状回復(げんじょうかいふく)
原則では、「退去時に賃借人が設置したものを取り除いて賃貸人に返却すること」とされる。
通常の使用及び経年変化による損耗(畳・壁紙の日焼けなど)は賃料で賄われ、壁のヤニ汚れや破損等は契約時に支払った敷金等で修繕されることがほとんど。
※通常の使用及び経年変化による損耗の例
畳の変色、フローリングの色落ち、通常による家具設置による床、カーペットのへこみ、設置跡
※物件によって特約が設けられている場合もあるので、契約書等をよく確認すること。
特約(とくやく)
一般的な契約内容と異なる取り決めのこと。基本的に貸主と借主の合意があれば有効とされるが、内容によっては効力が認められないものもある。
例)
修繕特約:契約期間中に生じた、費用が軽微な修繕については借主の負担とする特約
原状回復特約:契約期間終了後に行われる修繕を借主の負担とする特約
ペット飼育禁止特約:犬・猫等の飼育を禁止する特約
申込金(もうしこみきん)・申込証拠金(もうしこみしょうこきん)
預かり金(あずかりきん)・予約金(よやくきん)
物件を押さえておくために、業者に預けるお金。
支払う時は、有効期限・キャンセルの際には返金されること・契約成立の場合は契約金に充当することなどを明確にする。また、返却時のトラブルを避けるため、「預かり証」を発行してもらうとよい。
手付金(てつけきん)
賃貸借契約の際、借主が支払うことで借主の意思を明確にし、貸主に対しても安易に契約を反故にしないようにするお金。
本来は家主が受け取るお金で、仲介業者が受け取るためには、家主から手付金授受の代理権を得ていることの証明が必要とされる。
また、契約は貸主と借主の合意ができた時点で成立するため、手付金を支払った後に借主の都合でキャンセルした場合、手付金は返還されないことが多い。
構造用語
木造(もくぞう)
主要骨組みに木材を用いる構造。
鉄筋造(てっきんぞう)・鉄筋コンクリート造(てっきんコンクリートぞう)・RC造(アールシーぞう)
引っ張る力に強い鉄筋を、圧縮する力に強いコンクリートで補強し、すぐれた強度を発揮する構造。 中高層建築で多い。
鉄骨造(てっこつぞう)・S造(エスぞう)
柱や梁に鉄骨を使った構造。燃えにくく強度が高い。重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類があり、開口部が広く取れるのが特徴。
重量鉄骨造は、鉄骨自体がとても丈夫なので柱の本数が少なくてすみ、軽量鉄骨造よりさらに設計の自由度が広がり、大空間のある建物も建築することができる。耐用年数も長い。
鉄骨鉄筋造(てっこつてっきんぞう)・SRC造(エスアールシーぞう)
柱は梁を鉄骨で組み、その周囲に鉄筋を配しコンクリートをかぶせて一体構造にした構造。非常に強度に優れているため、7~8階建て以上の高層マンションに多い。
プレキャストコンクリート造(プレキャストコンクリートぞう)・PC造(ピーシーぞう)
あらかじめ工場で成型したコンクリートパネルを現場で組み立てる工法・構造のこと。
工場で生産されるので、工期の短縮やコスト削減などのメリットがある。
間取用語
LDK(エルディーケー)
Lはリビング(居間)、Dはダイニング(食事室)、Kはキッチン(台所)の意味。それらが一体となった空間をLDK、食事室と台所が一体となった空間をDKという。例えば2LDKと表示されていれば、2つの部屋とリビング、ダイニング、キッチンがある間取りだということ。一般的には10帖以上をLDK、それ未満をDKとすることが多い。
WC・UT(ウォータークローゼット・ユーティリティ)
WCはトイレ。UTは家事作業のための作業部屋・便利室・家事室のこと。家事をスムーズに行うための設備を置いたスペースとされるが、洗面所・脱衣所もUTと呼ばれることがある。
ユニットバス・UB(ユニットバス)
防水性の高いプラスチックなどで、浴槽、床、壁、天井などを一体化した浴室のこと。浴室だけのタイプと浴槽と洗面台、さらに便器を組み込んだ3タイプある。
クローゼット(クローゼット)
主に洋服類を収納するために作られたスペース。
ウォークインクローゼット(ウォークインクローゼット)
歩いて入れる大きさのクローゼット。大型収納スペースのこと。
バルコニー(バルコニー)
2階以上の住戸の外壁から外にせり出して作られており、室内から人が出入りできる手すり付きのスペースのこと。 1階は一般的にベランダと呼ばれることが多い。
ルーフバルコニー(ルーフバルコニー)
階下の住居の屋根を利用したバルコニーのこと。通常のバルコニーに比べて、スペースが広いのが特徴。
ロフト(ロフト)
屋根裏部屋のこと。天井高を高くして部屋の一部を2層式にしたもので、物置などに利用できる。
ただし、居室の基準を満たしていないので居室として認められない。
グルニエ(グルニエ)
フランス語で屋根裏部屋のこと。ロフトとほぼ同じ意味として用いられる。
メゾネット(メゾネット)
1住居が2階層に分けてまとめられたタイプのこと。2階建ての一戸建てのような感覚を味わえる。
ロフトと違う点は、上階/下階が居室として認められているところ。
サービスルーム(サービスルーム)
建築基準法では居室の有効採光率が決められているが、この規定よりも窓が小さいと居室として認められない。
そのような部屋のことをサービスルームという。図面上では「S」「納戸」などと表記される。
エントランス(エントランス)
建物の出入り口部分のこと。
玄関部分に設けられた大きな空間を「エントランスホール」と呼ぶ。
サンルーム(サンルーム)
日光を多く取り込めるように窓が大きく取ってある部屋のこと。屋根をガラス張りに造ったものもある。
リビングの外側・南側に設置されることが多い。
パイプスペース(パイプスペース)
上下水道管やガス管などがあるスペース。図面上では「PS」などと表記される。
メーターボックス(メーターボックス)
水道・ガス・電気などのメーターがあるスペース。図面上では「MB」などと表記される。
設備用語
FFストーブ(エフエフストーブ)
Forced Draft Balanced Flue=強制吸排気式ストーブ。都市ガス・プロパンガス・灯油用とあり、安全性が高いのが特徴。
オール電化システム(オールでんかシステム)
冷暖房や給湯、調理設備など、住宅内の熱源をすべて電気でまかなうシステム。火災の心配が少なく、室内の空気も清浄に保てるのが特徴。
トランクルーム(トランクルーム)
マンションやアパートの住戸の玄関脇や別棟などの共用部分に設置されている収納庫のこと。
洗面化粧台(せんめんけしょうだい)
洗面ボウル、鏡、コンセント、収納スペースなどが一つになった設備。
洗面化粧台にハンドシャワー、大型の洗面ボウルなどを加えた設備。
追焚(おいだき)
浴槽の湯が冷めた時に沸かし直す機能。高温差し湯式、循環式などがある。また、外出先から携帯電話でお湯張りなどの操作ができるフルオートバスなどもある。
浴室暖房乾燥機(よくしつかんそうき)
浴室の天井にビルトインされたり、壁に取り付けられる。
浴室内の換気や暖房、浴室内に干した洗濯物の乾燥などを行う。湿気を取り去るので、カビなどが発生しにくい。
シャワー付トイレ(シャワーつきトイレ)
用を足したあと温水でおしりを洗い流すことができる腰掛け便座。暖房機能・ビデ機能・温風乾燥機能・脱臭機能など、多彩な機能を持つものもある。
クッションフロアー(クッションフロアー)
ビニール製のシート状床材。水に強く、掃除や手入れが楽なのが特徴。フローリングに比べクッション性があるため、遮音・衝撃吸収性にも優れている。
フローリング(フローリング)
木質系の床材。広葉樹や、合成樹脂加工された合板が多く使われる。カーペットに比べ掃除がしやすく、ダニの心配が少ないのが特徴。主にリビング・ダイニング・洋室に使われている。
独立キッチン(どくりつキッチン)
リビングやダイニングなど、他の部屋から独立しているキッチンのこと。
対面キッチン(たいめんキッチン)
カウンターキッチンともいう。キッチンとリビング・ダイニングの間の壁に配膳窓を設けたり、カウンターを設置した形式のキッチンのこと。
システムキッチン(システムキッチン)
調理台・流し台・ガス台(コンロ)・収納設備などを組み合わせて作る、一体型キッチンのこと。食器洗浄乾燥機や電動式の収納、大型のレンジフードなどを組み込んだハイスペックなものもある。
IHクッキングヒーター(アイエイチクッキングヒーター)
ガスや火を使用せず、電気のみで稼働する調理器具。
室内の空気を汚さず、安全に調理が出来るというメリットがある。
オートロック(オートロック)
開閉後自動で鍵がかかり、鍵の他には暗証番号や住戸内からの操作でしか解錠ができないシステム。不審な訪問者・悪質な訪問販売などの侵入をある程度防ぐことができる。
ディンプルキー(ディンプルキー)
表面に深さや大きさの異なるくぼみがある形式の鍵のこと。
シリンダー錠のひとつで、2000億通り以上の鍵のパターンが出来ることから、複製が難しく防犯に優れている。 リバーシブルタイプのものは、鍵の裏表がないためスムーズに開錠できる。
TVモニタ付インターホン(テレビモニタつきインターホン)
インターホンにテレビカメラを取り付け、住戸内から外の様子や訪問者の顔を確認することができる装置。マンションでは、エントランスにオートロックを併設したTVモニタ付オートロックシステムを採用するところが増えている。
宅配BOX(たくはいボックス)
「宅配ロッカー」ともいい、不在時にも宅配便やクリーニングなどの受け取り、あるいは受け渡しができる設備。
コンクリート打ちっぱなし(コンクリートうちっぱなし)
コンクリートの型枠を取り外したままの状態で仕上げること。「打ち放し」ともいう。
無機質な印象を与えるので、デザイン性の高い建物や室内に採用されることが多い。
その他用語
管理会社(かんりがいしゃ)
賃貸物件の管理は本来ならその所有者が行うが、設備保守点検や防火・衛生など資格技術を要するもの、家賃の回収、入居者の募集など業務内容が多岐に渡るため、業務の全てや一部を専門業者に委託することが多い。この専門業者を一般に管理会社と呼ぶ。
宅地建物取引業(たくちたてものとりひきぎょう)
宅地または建物の
(1)売買・交換
(2)売買・交換・賃借の代理
(3)売買・交換・賃借の媒介
を業として「不特定多数を相手に、反復継続して」行うこと。
宅地建物取引業の免許を受けて営むものを、「宅地建物取引業者」、略して「宅建業者」と呼ぶ。宅建業者には、国土交通大臣の免許を受けた所と、都道府県知事の免許を受けた所がある。
国土交通大臣免許(こくどこうつうだいじんめんきょ)
宅建業者が二つ以上の都道府県で事務所を設置する際に、国土交通大臣が与える免許のこと。
都道府県知事免許(とどうふけんちじめんきょ)
宅建業者が一つの都道府県のみで事務所を設置する際に、都道府県知事が与える免許のこと。
取引態様(賃貸)(とりひきたいよう)
宅建業者が宅地建物の取引を行う場合の立場を示したもの。
(1)仲介(媒介):貸主と借主の間に立って、物件を斡旋する場合。
(2)代理:入居者募集・契約・管理など、賃貸住宅について行う様々な行為を貸主から請け負っていることで、貸主と業者の間で代理契約を結んでいる(代理権を得ている)場合。
(3)貸主:会社、もしくは個人が物件(自社物件)を直接借主に貸す場合。転貸契約による場合も貸主の立場となる。